★月刊・沈黙の兵器 第00033号 '07/10/31 ★

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嬉しいことを知った。キクイモに関してです。
 キクイモはもう4年近く育てているのだが、この10月初旬、一部を収穫してみた。
 今までは1月か2月に収穫していた。何故なら苗を買うとき、そう教わったからだ。
 だがそれは、“味はその寒気の時期が一番良い味”、という意味だったのだ。
 この10月初旬収穫のキクイモでも、味はそんなに劣るものではなかった。
 皮が少し分厚く、その色がやや白っぽいだけで、充分ナマでも皮ごと食べれる。
 煮ても焼いても、簡単なところでは「チン」するだけで、美味しく食べれる。
 10月初旬キクイモはまだ枯れていないから、葉はまだ光合成をしている。
 だから枯れるまで待てば、イモはもっと大きくなるであろうと推定できる。
 それらを差引いても、10月〜3月の半年近く、収穫できることが今回分かった。
 普通、農作物の収穫時期は狭い期間に限定されるのに…、キクイモすごい!

これは筆者にとって、重要な意味がある。
 筆者は、近未来の食糧難や水不足に備えて、キクイモを栽培しているからだ。
 (正確には「栽培」ではなく、全くほったらかしで、キクイモは育つのであるが…)
 ところが現在、冷凍保存以外に有効な保存方法を、筆者は知らない。
 だから今回、秋から春先の半年近く収穫できることは大きな朗報である。
 さらにさらに、キクイモに惚れてしまった…・


■■■ 環境問題の具体策(1) ■■■

前々号の当メルマガで、『環境問題の本質』を書きました。
 だから、それを理解して頂いておれば、具体策など自ずと見えてくる。
 とは言え、やはりそう簡単なものではない。
 そこでもう少し、「基本的で具体的なこと」に言及してみたい。

ゴミの分別や、割り箸を使わない、無駄な電気は切る、クルマ利用は避ける…
 こんなレベルでは、まぁヤランよりマシやなぁ……ですよね。
 「焼け石に水」レベルよりも、幼稚かも。

今回は、やや難しいと感じられるかもしれませんが、「感性」があれば大丈夫。
 フリーエネルギー、熱力学第2法則、熱経済学…?
 そのエスプリを、貴方は今日、手に入れるのです。


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★★ 新エネルギーのタイプ ★★

環境問題と言えば一般的に、「炭酸ガス排出」の削減と、「新エネルギー開発」への期待が浮上する。
 その「新エネルギー」の例を、タイプ別にいくつか挙げます。

★チカラまかせ型タイプ
 ・核融合
  放射能が出ない原子力なので、かなり以前から期待されている。
 ・メタンハイドレート
  日本周辺の深海底に多く存在し、日本が資源大国になる! しかし海底の環境悪化が不安。

★太陽利用型タイプ
 ・ソーラー発電
  もう誰でも知ってますよね。でも発電パネル製作がネック。宇宙に超大型パネル設置の案も。
 ・風力発電
  風が発生するのも、太陽熱があるからですね。
 ・水力発電
  河川があるのも、太陽熱で雲が発生し雨が降るから。でも現状の水力発電は環境負担大。
 ・バイオマス
  成長の早い樹木を燃やして発電。植物も太陽光で成長するから、太陽利用型です。
 ・燃料電池
  植物由来のものから水素を作り、発電。石油由来のものもあるが、それは論外。

★自然現象利用型タイプ
 ・地熱発電潮力発電など。(日本は温泉や火山多いし、海に囲まれてるので有利)
 ・発酵菌による(バイオマスに分類される場合もある)発酵熱利用など。

★フリーエネルギー型タイプ
 ・水エンジン
  なんと水を「燃焼」させてエンジン駆動。既に完成済みとの声も。水は実質「フリー」
 ・超効率エンジン
  入力エネルギーを超えた出力を得る。物理学が根底から覆る。
 ・重力エンジン
  反重力装置ができれば実現できる。既に開発済みとの声も。
 ・負エントロピーエンジン
  エントロピーを制御する所謂「マクスウェルの悪魔」。熱力学が根底から覆る。
 ・その他、超伝導利用によるもの等。

最後のフリーエネルギー型タイプは、多くの研究者を魅了してきた。
 なぜなら、科学や社会を根底から変えてしまう、と思えるからだ。
 ノーベル賞は間違いなし! 人類史上に永遠に輝く栄誉も!…
 筆者もお恥ずかしながら、超効率エンジンMEGを試作するなど、いろいろやった。


筆者グループが試作した超効率エンジンMEG

でもどれも失敗……(^^ゞ (開発資金を援助してくださった方々、ごめんなさい)
 そして、ある結論に達したのだが、それについては後述します。


★★ 熱力学第2法則 ★★

その前に、意外と知らない人が多い「熱力学の第2法則」についてお話します。
 あるとき、某先生に筆者は言った:
 筆者 「原子力発電は確かに炭酸ガスは排出しないでしょうが、熱の直接発生源になってますよ」
 先生 「へぇ〜、でも原子力発電所近くの地域、例えば福井県が特に暑いとは聞いてないが…」
 筆者 「あのつまり…、電気は大量に発電していますよね。それは最終的に全て熱になるんです」
  (なんでこんな重要なことを理解していない人が結構多いのかなぁ…)

そう、電灯を点ける、冷蔵庫・エアコンを動かす、それらの電気エネルギーも含めて、
  あらゆるエネルギーは、最終的に全て「熱」となる
とい物理法則が、厳然と存在するのです。
 熱とは、その物体の分子が「振動」(=運動量)する大きさです。
 高温の物質ほど、その分子の振動が大きい。
 振動が停止した状態が、絶対零度、つまり摂氏マイナス273度です。

熱が分子の振動というイメージでもって、次のことをイメージしてみてください。
 ・高所から低所に物体が落下(=位置エネルギー)。その衝撃で熱が発生します。
 ・ガソリン(=化学エネルギー)でエンジンを動かして(=運動エネルギー)、最終的には熱。
 ・エアコンで室内を冷やすと、室外機からは冷却分以上の消費電力による熱が発生。
 ・TV映像の光エネルギーも熱に。音声は空気を振動させて温度を上昇させる。
 ・バッテリー充電の場合は一時的に化学エネルギーとなるが、使用して最終的に熱に。

百科事典ウィキペディアによる熱力学第2法則の説明によると、こうなる。
 『第2法則は、エネルギーを他の種類のエネルギーに変換する際、必ず一部分が熱エネルギーに変換されるということ、 そして、熱エネルギーを完全に他の種類のエネルギーに変換することは不可能であるということを示している。つまり、 どんな種類のエネルギーも最終的には熱エネルギーに変換され、 どの種類のエネルギーにも変換できずに再利用が不可能になるということを示している。』

ついでにと言ってはなんだが、現代科学の「宇宙の熱的終焉」の世界観を少し説明します。
 宇宙誕生のビッグバンのとき、宇宙にはエネルギー(最終的には熱)が「密」なところと「疎」なところが多数出来た。
 その密なところと疎のところが「混じり合う」ときに、「運動」というものが発生するのは自明である。
 逆に、運動は、エネルギーの密と疎の混じり合い以外では発生しない。
 運動があるから、こちらとあちらのような「空間」が存在して、変化による「時間」が存在する。
 密と疎が混じり合うイメージは、ちょうど赤い玉がたくさん入った箱と、白い玉の入った箱を混ぜるようなもの。
 赤い玉は温度(またはエネルギー)の高い もの、白い玉は低いもの、その混じり合いとイメージしてください。
 いったん混じってしまえば、例えば赤い玉だけを取り出すのが難しいように、赤白が均一になっていく。
 これをエントロピー(デタラメさの尺度)増大の法則といって、宇宙はこの不可逆方向に進んでいる。
  (ただし 先述の「マクスウェルの悪魔」は、これを可逆にするものだが、実現不可能といわれている)
 すると、遠い未来では、すべてが混じり合ってしまって、宇宙のエネルギー分布は均一になってしまう。
 すると、この世に「運動」するものが無くなるから、空間も時間も消滅する ……


★★ 熱経済学 ★★

さて、前項の熱力学をもってすれば、繰り返しになるが、ぜひ次のことを理解してほしい:
  原子力発電は炭酸ガスは排出しないが、熱の直接発生源になる!

よく、原子力発電は炭酸ガスを排出しないから、放射能という欠点はあるが、温暖化防止になるとの論がある。
 ましてや前々項で紹介した核融合が実現したら、放射能の問題も解決して理想のエネルギーだとの論がある。
 そのために兆円単位の国家予算をつぎこんでの、核融合実現のための国際共同研究プロジェクトがある。
 だが、絶対、おかしいだろう!?
  温暖化防止は、炭酸ガス規制だけでは片手落ちで、熱発生源の規制もせよ!
 と言いたくならないか?
 ただし「熱発生源」といっても、熱経済学からみた「過剰な熱」である。

そのためには、熱経済学を理解してほしい。
 その基本コンセプトは、次の概念図が出発点となる。


熱経済学の基本コンセプト

地球の、一般的には惑星(表面または大気)の熱経済とは、
 入る: 太陽から受ける熱に、惑星の地熱とを加えたものと、
 出る: その惑星が宇宙空間に放出する熱
との収支を考えることです。
 今までこの収支が合っていたから、大気温度が安定していた。
 ところが「出る」が、炭酸ガスの温室効果で阻害され、
 そして「入る」に、石油や原子力などの「過剰な熱」が加わった。
 だから温暖化が進行するのです。

以上のことを簡単な式で示してみる。
 ただしあくまで基本コンセプトの説明としてのマクロ式であって、厳密なモデルではない。
 なお、数式を見ただけでアレルギーが出る、という読者は読み飛ばしてください。

惑星大気の平均温度は:
  僊ir = Sun + Earth − Emit
ここに、
  Air: 大気の平均温度 (その変化率が 僊ir)
  Sun: 太陽から受けるエネルギー(≧0、以下同様)
  Earth: マグマなど惑星が自然に有する熱
  Emit: 惑星から放射するエネルギー(主に赤外線)
そして、
  僊ir=0
の時の平衡点において、大気温度が安定するわけです。
 その結果、太陽に近い水星の温度はたいへん高く、遠い火星は低い。
 地球はちょうど奇跡的に、生命体にとって丁度良い温度だったわけです。
ところがそこに、
  Co2: 炭酸ガスによる温室効果
が加わったことによって、放射熱が阻害され、Emit − Co2 と減少したのです。
 つまり、
  僊ir = Sun +Earth − (Emit − Co2)
      = Sun + Earth + Co2 − Emit > 0
のように、大気温度が上昇に転じ、温暖化が起こっているわけです。
 さらに筆者がその規制を主張する「過剰な熱」 FEVER を考慮すると、
  僊ir = Sun + Earth + Co2 + FEVER − Emit > 前式の僊ir > 0
となって、温暖化がより深刻になるというわけである。

「過剰な熱」とは、次のように考える

 ・樹木を燃やしても、適量なら、すぐに植林をすれば、過剰な熱ではない。
  樹木の燃焼熱は太陽由来で、すぐに植林すれば炭酸ガスさえリサイクル。
   -> つまりバイオマスによるエネルギー利用は、一応セーフ!
 ・風力発電ソーラー発電は、太陽由来のものだから、過剰な熱ではない。
 ・温泉の地熱発電や、月引力の潮力発電も、古来からある自然力でOK。
 ・石油メタンは、地底や海底に秘蔵されるべき熱であって、利用はアウト!
 ・現状の原発や、核融合も、秘蔵されたる原子の熱を解放するからアウト!

では、★フリーエネルギー型タイプなら、どうか?
 もともと一つとして実用化されてない「夢のエネルギー」であるから議論も空しいが、
  フリーエネルギーの可能性はある!
と考えたからこそ、多くの研究者が頑張ってきたのだから、一応考えてみよう。


★★ フリーエネルギーと、人の欲望 ★★

仮に、フリーエネルギー型エンジンが一般的に実用化されたら、問題はゼロか?
 人類の科学技術による「夢の社会」が実現されるのか?
 筆者が、フリーエネルギーに関して到達した、一応の結論はこうだ:

問題1) 熱経済学的な問題
 例えば、「超効率エンジン」を考えてみよう。
 なぜ、入力エネルギーよりも、出力エネルギーが大となるのか?
 これには少なくとも、次の2つの仮説がある:
  ・宇宙の「真空」には、もともと無限のエネルギーが存在する。
   それを「ゼロポイント・エネルギー」といって、それを利用するのだ。
  ・宇宙は、正負実虚の質量を有する複素的多畳構造である。
   そうした「別の世界」から、エネルギーを取り出すのだ。
 まぁ、それなりの説得力があるので、ついハマってしまいそう…
 だけど、その超効率エンジンで発電したら、結局は熱になってしまう…
 だから熱経済学的にみれば、結局「過剰な熱」になるのではないか?
 これを解決するのは熱力学的に、負エントロピー型エンジンしかない?

問題2) 人の欲望
 こちらの方が、むしろ最も大きな問題かもしれない。
 数ヶ月前に参加した、ある「勉強会」での会話:
  S氏 「水を燃焼させる機関が、既に完成済みと某氏は言っていた。
      ただ陰の世界政府が、石油利権のために弾圧している…」
 こんな会話には、筆者はだんだん聞き飽きてきたのだ。
 それに、そんな類いの話を実際に検証したら、どれもマユツバだった。
 まぁ、仮に百歩譲って本当だったとしよう。
 水エンジンが実用化して、どんどんエネルギーを使えるとしよう。
 或いは熱力学的に問題なら、負エントロピー型機関が実現したとしよう。
 それって、日常世界で具体的に言えば:
   トイレの電気は点けっぱなし
   エアコンは電源入れっぱなし
   あれもこれもがやりたい放題
 …なんて世界は、充分予想できる現実的な世界である。
  フリーエネルギーは人を堕落させる!
 とは言えませんか?
 ただね、こんな研究をする人はマジメな人がほとんどだから、
 人間がそこまでアホとは、現実感がないのである。
 フリーエネルギーを「理想化」して、本質を見失っている人は意外と多い。


★★ 終わりに ★★

筆者は、非常に疑問である。
 ・なぜ、熱力学第2法則を理解しない人が多いのか?
 ・なぜ、熱経済学の基本を理解しない人が多いのか?
 ・なぜ、人の「業」の深さを理解できない人が多いのか?
小学生高学年でも、ちょっと賢いヤツなら、聞いたら理解できそうなのになぁ。

念のため申しますと、本メルマガの読者はご理解頂けたと思っています。
 疑問は、賢いはずの多くの知識人が、なぜか炭酸ガス排出「だけ」にこだわるとか…
 疑問は、フリーエネルギーが実現したら、理想郷が誕生すると信じている人々とか…


【Repeat Messages】
●日本が800兆円の負債? ちょっと待った! 日本は世界一の債権国だぞ! 外国からの負債はない!
  では日本の負債の債権者は誰だ? それは日銀とその子分の金融機関だった! ★参照: ep1
●日銀は株式会社であり国の機関ではない。(その証拠にURLは私的機関を示す「or.jp」だ)
  日銀を国有化して、政府と国会が信用創造せよ! ★参照: ep2
●バブルとその崩壊は、日本を構造改革するため意図的に創られたのだ! ★参照: ep6, ep7
●聖書における天地創造の神はエホバ(ヤハウエ)ではない。天地は神々(エロヒム)により創られた、とある。
  アダムとイヴだけが最初の人類ではない。他の神々が創った人が存在した? ★参照: ep13

「月刊・沈黙の兵器」
★まぐまぐ!サイト: http://www.mag2.com/m/0000150947.html
★発行者のサイト: http://www.geocities.jp/akion200104/
★執筆者のサイト: http://www.geocities.jp/untilled/ (←バックナンバーが見やすいよ)

■次号の予定: 「環境問題の具体策(2)」
■筆者へのご意見ご感想は: tin_moku@yahoo.co.jp 
(迷惑メールが多いのでアドレス変更しました。メールチェックは少ないですが、よろしく)

/E