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前号でも紹介した、人類の21世紀の主食にすべき?、キクイモの花が開花しました!
本当の菊の花よりも鮮やかな黄色が印象的です。しかもどれも身の丈2〜3mという高さですから、ド迫力! 畑全体としての満開は、まだまだこれからですので、さらに楽しみです。
■■■ ロスチャイルド帝国 ■■■
今号の内容は、次の書籍を主な参考文献にしている。
よって特に明示しないかぎり、本文中の 『 』 は、この書籍からの引用と考えて頂きたい。
また是非この書籍をお読みになられることをお勧めします。
この本無しに近代史は語れない!
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(集英社文庫) 赤い楯 ― ロスチャイルドの謎〈1〉〜〈4〉 広瀬 隆 (著) 内容(「BOOK」データベースより) 18世紀、ドイツ・フランクフルトの片隅のユダヤ人ゲットーに一人の巨人が誕生した。“赤い楯”を家紋とするその金貸し業者の名は、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルド。各国に散った彼の5人の息子と子孫は同族結婚を繰り返し、またたくまにヨーロッパ全土の金融と産業を押さえた…。恐るべき権力を持つ闇の一族。全地球を巻きこむカーペットが今、織り始められる。 |
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★★ ロスチャイルド家台頭の伝説 ★★
時は18世紀のドイツである。
『フランクフルトのユダヤ人ゲットーに押し込められたロスチャイルド一家は、市民権さえ与えられず、細々と両替商を営みながら日を送っていた。一般市民との交際が厳しく禁じられ、夜にはこの居住区から外へ一歩も出ることを許されず、日曜と祭日にも“賤しいユダヤ人”としてゲットーにとじ込められた』哀れな人々の中に、ロスチャイルド家の栄光の足掛かりを築く初代マイヤー・アムシェル・ロスチャイルド(1743-1812年)がいた。
彼がスファラディ・ユダヤなのかアシュケナージ・ユダヤなのか(前号参照)の確証はないが、ユダヤ社会内部ではごく最近まで両者の区別は認識されており、それによるとロスチャイルドはスファラディ・ユダヤであるという。ちなみにスファラディはアシュケナージから、ユダヤ本家という意味合いから尊敬されていた。(犬塚きよ子著「ユダヤ問題と日本の工作…海軍・犬塚機関の記録」より)
またメディチ家の末裔であるとの説もあるが、筆者は勉強不足で分からない。
いずれにせよ、次の点は強く心に刻んで頂きたい:
・ロスチャイルドは(イエスが最も忌嫌った)両替商である。
・当然ながら、ユダヤ教徒である。(前号参照)
・ゲットーにとじ込められ、キリスト教社会から迫害を受けていた。
特に、キリスト教社会から迫害を受けていたロスチャイルドの心中を察して頂きたい。つまり当然のように「反キリスト」思想となる。もちろんユダヤ教に辛辣な批判を加えた(と新約聖書に記されている)イエスへの反発もある。しかもイエスは自分の職業である両替商を最も忌嫌っている。これで反キリストにならない方がむしろおかしい。
また前号まで読まれた読者は覚えておられることを期待するが、キリスト教信者同士は利息が取れない(ユダヤ教信者同士も同様)との聖書に書かれた決まりがあるから、社会の大多数を占めるキリスト教信者にカネを融通するのはユダヤ人(ユダヤ教徒)のみ、ということである。
また、金細工師のほとんどがカザール人(前号の参考文献「ユダヤ人とは誰か」より)つまりアシュケナージ・ユダヤであったことから、当時のユダヤ社会では、スファラディ(両替商・古銭商・高利貸)とアシュケナージ(金細工師)との連携があったと推定できる。
そんな初代マイヤー・アムシェルに転機が訪れたのは、『貨幣に異常な収集癖を持つ』、ドイツ名門貴族ヘッセン家のヴィルヘルム九世との出会いであった。そしてやがて高利貸しと呼ばれる金融業に身を投じる。
『それがもっぱら軍資金の調達と、兵士の調達という戦争目的に運用され、敵味方なく、儲かるところに投資されたのである。ここが商人と軍人の違うところであった。どちらが勝ってもよい。要は利益を得て、非難されないこと。そのため秘密の行動に徹し、各国の政府・王朝に貸し付けてゆく。その結果、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドの名が、単なる金融業者ではなく、戦運の向背を決する救世主として上流社会に受け取られるようになった。この男は、金を握って、同時に背後から権力に一歩ずつ近づいていたのである。』
『勿論、町ではいまだに“賤しいユダヤ人”としておそるべき扱いを受ける時代には変りがなかった。マイヤー・アムシェルの燃えさかる瞳は、5人の息子に注がれた。』
『うち三男のネイサンがまず海を渡って、イギリスに現われた。支店の創業である。そして次々と兄弟が散って行った。
年代を記せば、この5人兄弟の陽動作戦のスピードが理解される。』
1764年 初代マイヤー(当時20歳)が、ドイツ・ロスチャイルド商会創設
1776年 ドイツ・ババリヤでイルミナティが結成される
1789年 フランス革命 (で、イルミナティ影響下のジャコバン党が暗躍)
1804年 三男ネイサン(27歳)が、イギリス・ロスチャイルド商会創設
同年 ナポレオンが皇帝となる
1812年 初代が亡くなり、長男アムシェルがドイツ家を継ぐ
1815年 ワーテルローの戦いでナポレオンが敗れる
1817年 五男ジェームズ(25歳)が、フランス・ロスチャイルド商会創設
1820年 次男サロモン(46歳)が、オーストリア・ロスチャイルド商会創設
1821年 四男カール(33歳)が、イタリア・ロスチャイルド商会創設
1822年 5人兄弟がユダヤ人としては初めて男爵位を受ける
紋章は鷲とライオンとユニコーンに“5本の矢(5人兄弟)を握りしめる腕”
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『当時、通信手段は郵便に限られていた。どこでどのような事件が起こったかを知らせるスピードが、貴金属などの値動きに反映されることは言うまでもない。その利ザヤをかせぐ商人の立場にあって、ロスチャイルド家はドイツ、オーストリア、イギリス、イタリア、フランスの5カ国を同族結婚によって固く結びつけていた。“自家用の郵便船”を絶えず出港準備完了の状態に保ち、一朝ことあれば、乗客を乗せずにニュースだけを運んだ』
『ロンドンにロスチャイルド商会が開かれた1804年にナポレオンが皇帝』となった。『このときロスチャイルド家の投資先は、ナポレオン派と反ナポレオン派の双方であったから、各国に設立される商会が独立していなければ、世間から「矛盾している」という誤解を受け、激しい非難を浴びせられるだろう。ロスチャイルド家から見ればすべての国の君主や実力者が、いつなんどきひっくり返るか分からない時代にあって、投資リスクの保険制度のような性格を帯びたものが、それぞれ独立した5人兄弟の5カ国連合商会であった。敵味方の両方に融資しておけば、必ず勝者から戦後の権益を分けて貰えるはずだ。』
ワーテルローの戦いにおける勝敗を見届ける者も、すでにロスチャイルド家によって配置されていた。伝書鳩、馬、密輸船の他、昼はのろし、夜にはなんと光通信、つまりランプによるモールス信号のようなものまで使われた。
ドーバー海峡の向こうのロンドンで、ネイサンはいち早く勝敗の結果を知った。すると『誰の仕業か、ロンドンじゅうに“ナポレオン勝利”の誤報が流れたため、大英帝国破滅の日が近い、ということで公債は紙キレ同然の大暴落となった。』(実際には、いったんイギリス側勝利との本当の情報を流した後、それが誤報だった!、とドンデン返しをするという狡猾な手口だった)
紙キレ同然の公債を『ひそかに買い集めている一団があった。ネイサンの使用人である。 翌日、“(イギリス側の)ウェリントン勝利”のニュースが将軍の使いから伝達された時には、公債がどれほどの値上がりをしただろう。』
ネイサンはこうしてイギリスで「大成功」をおさめた。
一方、フランスのジェームズは当時の成長産業だった鉄道に着目し、パリ〜ブリュッセル間の北東鉄道を基盤に事業を拡大していった。
『これが“ロスチャイルド家台頭”の伝説である。しかし1983年にフランスで出版されたギイ・ロスチャイルドの著書「ロスチャイルド自伝」(1990年、酒井傳六訳、新潮社)には、この最大の伝説が誤りであったと書かれている。「最近、ロンドン証券取引所のおこなった入念な調査は、ワーテルローの前または後の英国の公債の相場はいかなる変化も受けていなかったこと、およびネイサン・ロスチャイルドの打った“大博打”という話は完全な誤りであることを、証明した」という。ところがそこには何も証拠が示されていない。同書では、全篇にわたってロスチャイルド家の没落が描かれている。興味深い説である。』
事実は……、広瀬隆著「赤い楯」をぜひお読み下さい。
★★ その後のロスチャイルド ★★ (読者よ、気付いて下さい!)
百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で、ロスチャイルドのページには次のようにある:
『パリのロスチャイルドは、1870年に資金難にあえぐバチカンに資金援助を行うなどして取り入り、その後ロスチャイルド銀行は、ロスチャイルドの肝いりで設立されたヴァチカン銀行(正式名称は「宗教活動協会」、Instituto
per le Opere di Religioni/IOR)の投資業務と資金管理を行う主力行となっている。』
ついにキリスト教カトリックの総本山まで、その影響下においたのである。
ユダヤ教徒であるロスチャイルドが、である。
ゲットーでキリスト教社会への怨念を積もらせていたロスチャイルドが、である。
結果、世界のキリスト教にどのような影響が生じたのだろうか。
同事典は続く:
『ロンドンのロスチャイルドは、政府にスエズ運河買収の資金を提供したり、第1次世界大戦の際にユダヤ人国家の建国を約束させる(後のイスラエル建国につながる)など、政治にも多大な影響力を持った。
日本が日露戦争を行う際、膨大な戦費をまかなうため外貨建て国債を発行したが、日本の国力に疑問を持つ向きが多かった。そうした中で、ニューヨークの銀行家でユダヤ人のジェイコブ・シフが支援を申し出たため、外債募集に成功した。シフの働きはロンドンのロスチャイルド家の意向を受けてのものであった。その一方では、ロシアの石油開発にも巨額の投資を行っていたが、ロシア革命が起こると撤退を余儀なくされた。
第二次世界大戦後、その勢力は衰え、かつてほどの影響力は失ったとされるが、金融をはじめ石油、鉱業、マスコミ、軍需産業など多くの企業を傘下に置いている。』
ここでも『勢力が衰え』たことになっているが、事実は、ますます「見えざる帝国」となっただけである。
また、『ロシア革命が起こると撤退を余儀なくされた』と、何も知らない被害者のように書かれてあるが、読者はどう思われるか?
敵味方の双方に融資するのは、ロスチャイルドの常套手段ではなかったか。
しかしイギリス政府にスエズ運河買収の資金を提供するなど、国家以上の実力ではないか。
本メルマガ第3号で述べたことだが、極めて重要なので再度転載する:
『銀行家は絶対君主や錬金術師が失敗したことを成し遂げた。通貨を創り出したのである。彼らは賢者の石を手に入れた。そして、その時代の中央銀行になった。
これは世界史を根底から変える出来事だった。新しい購買力の配分が政府の支配下にはない、ということを意味したからだ。ヨーロッパの絶対君主は、このインチキを見破れなかった。お人好しにも、銀行家は大量のゴールドをもっているのだと信じた。政府が通貨を必要とし、しかしもう税金を上げられないとなると、銀行家から借りるしかないと考えた。
皮肉なことに、銀行家は絶対君主である王がやろうと思えばできることをしただけだった。紙幣の発行だ。銀行家は国家の政策に対する絶大な影響力を手に入れた。まもなく、誰が国を支配しているのかわからなくなった。旧約聖書には、借り手は貸し手のしもべとなると書いてある。王はしもべとなった。』
(ヴェルナー著「円の支配者」より)
先述のように資金援助を受け、聖書を最も知るはずのバチカンでさえ、ロスチャイルドのしもべとなったことになる。
自由国民社「見えざる世界政府・ロックフェラー帝国の陰謀」巻末資料、永渕一郎氏訳「ラコフスキー調書」より:
『国家は今でも硬貨をつくったり、王の胸像や国章入りの貨幣をつくっている。それがどうだというのだ? 国家的富を代表する大事業のための通貨の大半、すなわち金銭は、私が示唆した人々によって発行されているのである。小切手、為替、予算、数字と際限もなく、まるで滝のように国に氾濫する。すべてこれを硬貨や貨幣と比較できるだろうか? この硬貨、紙幣は金融力の増大していく洪水を前にしては、無力な極小のものに見える。金融家たちは繊細な心理学者であり、金融勢力を強大にしていく。それも大衆に理解力が欠如しているからである。金融力の色々な形態に加えて、彼らは《クレジット》マネーをつくり出し、その価値を際限なく高騰させようと目論んでいる。
さて、君はこれが理解できるか? 欺瞞である。偽造貨幣だ。銀行、取引所、一切の世界金融システムは、アリストテレスの言のごとく、反自然的スキャンダルをつくり出すための巨大な機械である。すなわち金銭を殖やすために、金銭を利用する。これは正に経済的犯罪、刑法の侵犯つまり高利貸しである。彼らは法定利子を受取っていると言うが、どうしてこれを正当化できるのか分からない。利子がたとえ法定のものであったとしても、実在もしていない資本を捏造し、偽造していることにかわりはない。銀行は生産に一定の金額を投資する。その金額は彼らが実際もっている硬貨、紙幣の額よりも、十倍も百倍も多い。
(中略)
奇蹟を理解するのが困難なことは当然だ。そう、奇蹟だ。高利貸しがそこで金銭を商売にしていたその汚いベンチを、現代都市の一角の荘厳に飾りたてた現代寺院に変えてしまった例外的な奇蹟である。群衆は天の神々からは何も受取らないのに、金銭の神に自分の犠牲を捧げ、持ち物一切をその神に与える。ところがその神は銀行の鋼鉄の金庫の中で暮らしており、その神聖な使命によって、彼らの富を形而上学的無限にまでに増殖することを約束していると、彼らは考えているのである。』
★★ 終わりに ★★
テンプル騎士団やメディチ家、そしてロスチャイルドと、いずれも金融力により絶大な影響力をヨーロッパで発揮した。
これら三者は何らかの深い脈絡で繋がりがあるのかないのか、とも考えたくもなるが、筆者は不勉強で分からない。いずれにせよ前者二者は結果的に迫害され消滅した。要するにインチキがバレたからだ。
しかしわがロスチャイルドは、前者の失敗の轍を踏まないように、秘密に徹して見えざる帝国を築いているところが天才的ではないか。
今回は紙面の関係上、アメリカの帝王ロックフェラーとの関係は割愛した。
もしご興味ある方は、繰り返しになるが、広瀬隆著「赤い楯」をお読みくださるようお願いしたい。
ここでは両者は、ある時は対立し、ある時は協調している、とだけ言っておきたい。
対立(もしくは矛盾)は弁証法的にみて、アウフヘーベンに到達する最高の戦略だと彼らは考えるからである。
なお前号の予告欄でロスチャイルドを「現代のユダヤ王」のように書いたが、正確に言うとビミョーに違っていた。ユダヤ人(ユダヤ教徒)の中でいちばんの富と権力を有する一族、と訂正しておきたい。
例えばユダヤ国家イスラエルを支援するかと思えば、あるときはそうでもない。
ロスチャイルド家有力者の一人ジェームズ・ゴールドスミスの言葉を紹介しよう。『私は、ユダヤ人に対する時はカトリックである。カトリックに対する時はユダヤ人である。』
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