《 脱化石燃料・脱原子力が実現可能な技術はすでにある! 》

<内容> 0.キーワードは、循環+「小規模・分散」 1.電気 2.ガス 3.水道 4.小規模・分散型社会の実現 5.おわりに

-------------------------------------------------------------------------- 0.キーワードは、循環+「小規模・分散」  脱化石燃料・脱原子力が実現可能な技術はすでにある!、というと、さては水で エンジンが動いただの、その技術が闇の力により弾圧され隠匿されただの、ウサン くさいような話ではないか?、と思われる人がいるかもしれない。  確かにウサンくさい話はこの種のモノにすこぶる多い。99%以上は詐欺まがい か開発段階のものだ。騙された人は世間体もあってあまり公表しないが、実際、某 大企業や公共団体までもその被害にあっているのが実状だ。  しかし、有名なEMAモーターだの、あまり有名ではないが不活性ガスを利用し た通称プラズマエンジンだの、話をよくよく調べると、どうもホンモノであったか もしれないモノもあるのだ。  最近で“ホンモノかも”しれないものは、元東北大学教授(数年前定年退官)の 早坂先生の“反重力理論”に基づくエンジンだ。 ---- * ---- * ---- * ----  だが、夢のような話はとりあえず置いておこう。  すぐにでも実現可能な技術!  そのキーワードは:    循環+「小規模・分散型」 のエネルギーシステムに尽きる。コンピュータの分野ではすでに数年前から流行の ダウンサイジングである。パソコンが高性能化したために、大型オフコンを1台置 くよりも、1人1台のパソコン(プラスLAN)の方がコストも効率も良くなった。 エネルギー分野でも同じことが可能になってきているのだ。  ちなみに、“循環+”とした理由には、循環型システムは、最近広く認識される ところとなったので、小論では「小規模・分散型」システムを特に強調したかった ことにある

-------------------------------------------------------------------------- 1.電気  つまり、発電ならば1家(または小集落)に1台の小型発電機を置くことによっ て、大発電所や山こえ谷こえの大規模な送配電も不要となる。  ソーラー発電や風力発電が有名だが、夜や無風のときに困るので、有効なバッテ リーが必要になるが、1家の夜の消費を賄う程度のものなら、これは具体的に述べ ないが、すでにある。(ただし、ソーラーパネルを作るための化石燃料を考えると 問題がある、との意見もある.そこで)  最近少し有名になりつつあるのは、「PEM型燃料電池」(という発電機)で、 自然界から大量に供給できるメタノールなどから水素を発生させ、酸素との反応で 直接電気エネルギーに変換するので、熱を発生させてタービンを回すものと較べて すこぶる効率が良い。排出物は水だけのクリーンエネルギーだ。これは電気ウナギ が発電する原理の応用らしい。まだ大発電所に匹敵する電力には及ばないが、1家 の小電力や、小型車1台動かすくらいなら、いつでも実用段階に移行できる。  既に実用化されて利用されているものに「バイオマス発電」があり、成長の早い 樹木を栽培してそれを燃やして発電する。排出されるCO2 はその樹木が光合成の ときに取り込んだCO2 と同量だから、やはりクリーンである。カリフォルニアで は10年以上前からかなり大規模なものが完成して、地域に電力を供給している。 だがそんなに大規模なものは要らない。日本では製材工場の一部などで、捨てる木 クズ等を燃やして自家発電しているが、その規模でよいのだ。やっと林野庁が最近 この方式に注目して技術開発に乗り出したのは歓迎だが、大規模発電方式にするら しいのがいただけない。(そのうえ木クズは廃棄物だから発電原料と位置づけるの に足踏みするなど、お役所特有の幼稚な問題が未解決らしい)  ちなみに、一般的なゴミ焼却場で、せっかくの燃焼熱エネルギーを大気中に捨て ているのはモッタイナイ話である。本気で環境問題を考えているのか、と疑わしく なるではないか?

-------------------------------------------------------------------------- 2.ガス  家庭用の調理用のガスだって、化石燃料を使っているのだが、これも不要にする 発明が、もう25年も前に京都で実用化されている。当時の“汲み取り式便所”に 発生する「メタンガスを利用するシステム」で、1家の調理くらいこれで賄える。 だがその後、水洗便所の普及で消えてしまった。  水洗便所は1回12リットルもの水を流すし、神戸の震災時には給水がストップ してトイレもできなくなり大変だった。  現在の調理用ガスからは、実は自動車の排ガスの7倍ものNOxやSOxが出て いる!、と大きく報道されたのは数年前。その後、ガス会社は否定に躍起になって いるそうだが、このために家庭の主婦に肺ガンの発生が増えているとの報告もあり、 真偽のほどは明らかにされていない。  ところで私の親しい会社が、「ブラウンガス溶接機」というのを持っている。水 を燃やして高熱を発生させ、鉄とレンガを溶接することもできるスゴイ溶接機だ。 排ガスも水蒸気だけというクリーンさ。焼却炉に応用しても、3千度という高温の ためダイオキシン発生の問題も解決できる。これをパワーダウンさせて、家庭用の 調理ガスに応用したらどうだろう。必ず実現可能である。

-------------------------------------------------------------------------- 3.水道  重要なライフラインで、電気・ガスとくれば次は水道だ。だがいくら必要でも、 これ以上のダム建設が本当に必要だろうか?、と最近問題になっている。先日放送 されたTV番組では、“もし東京の各家庭の屋上に降る雨を利用すれば、今の消費 レベルでもその水量の30%が賄える”という「雨水利用システム」が紹介されて いた。朝シャンなど無駄の多すぎる現在の30%といえば、仮に水道が止まっても 最低限の生活ができる水量ではないか。さらに水洗トイレもやめて、前述のメタン 利用システムにすれば、消費水量も大幅に減るうえ、調理用ガスも自家生産できて 一挙両得である。  どうしても今の消費レベルの水量を使いたい方は、宇宙船でも利用している「水 循環システム」を採用すればよい。ただし現在高価な、あるフィルター等を必要と するが、少なくとも技術的には可能だ。値段も大量需要があって量産すれ安くなる だろうし、逆に少々お高い方が無駄使いが無くなって良いではないか。  これらの水システムには、還元水生成などの機能も付加してやれば、病気も激減 する(弊社「還元水資料」を参照されたし)。さらに水クラスタを極小にする装置 も付加すれば、「油とすら混ざる水」が生成されて、ご存知かもしれないが、洗剤 シャンプー不要の水洗いだけで、洗い物・洗濯・髪洗いなどを可能にできる技術は すでに開発されている。  衛生的にも水道水よりOKだ。それどころか、現在の水道法では塩素を入れなけ ればならず、これと成人病増加には統計的有意な因果関係があるにもかかわらず、 古い“悪法”に縛られているのが現状だ。また、途中の配水管の中のとんでもない 汚さを見れば、もう水道水はそのままでは飲む気もおこらないだろう。

-------------------------------------------------------------------------- 4.小規模・分散型社会の実現  以上、“家庭用”の小規模システムについて、実現可能な技術を紹介した。  もちろん、他にも多くの有望な技術がある。(弊社にもアイデアだけならあるの だが、資金不足で開発着手すらできていないが..)  でも、紹介した数例だけで、    脱化石燃料・脱原子力が実現可能な技術はすでにある! ことが少しは納得して頂けただろうか?  実用化への技術的な問題はまだ少々あるものもあるが、家計や国家予算の無駄を 少し省いてその資金をまわすだけで解決できる段階なのだ。  では、大工場や高層ビルなどではどうか。  複数のパソコンの能力を単純に足し合わせてもスパコンにはならないが、電力等 は、ほぼ単純な足し算で可能な場合が多い。つまりどんな大工場でも、ブロック毎 に分散させて発電するとか、もし大電力が必要なら、小電力を足し合わせるわけで ある。つまり大きな御神輿(祭りのみこし)を巨人ひとりに担がすのではなく、多 くの人手で分散して担げばよい。小さいと言っても、単独で自動車1台くらいは動 かせるエネルギーをもっているのだからバカにはできない。  さらに考えれば、もともと、そんな大工場や高層ビル自体が、「小規模・分散型 システム」の考えと背反するのであり、小規模・分散の考え方を、産業構造その他 にまで発展させて実現していけば、いったいどれだけの大工場や高層ビルが必要と なるだろうか?。例えば、「東京一極集中から地方分散」が実現すれば、霞ヶ関に どれだけの高層ビルが必要だろうか?。繰り返しになるが、大型オフコンが高性能 パソコンに取って替わったように、インターネットやTV会議など情報革命によっ て、こうしたことが実現可能となったのである。  以上から、次のストーリがイメージできる:   ・まず家庭向けなどに小規模・分散でエネルギーを供給     (これで少なくとも原発など新規発電所建設の必要なし)   ・一方、小規模・分散を足し合わせる技術の開発を促進     (先述のように大工場など大規模システムの代替が目的)   ・段階的に大工場も小規模・足し合わせシステムに移行     (社会構造、産業構造なども小規模・分散型システムに)   ・最終的には、現在の大規模・集中システムを全面廃止     (つまり原子力発電所や大量石油消費の現システム廃止)  小規模・分散型システムは、軍事的だけでなく、いろんな観点からもロバスト性 が高い。要するに強い。現在の大規模・集中システムだと、数カ所の発電所やダム を攻撃されただけでもその地域の社会機能がストップする。震災だってそうだ。  もう一度いう。コンピュータが、大型オフコンから高性能化した小型パソコンに 移行したように、小規模・分散型システムによって、脱化石燃料・脱原子力が実現 可能な技術は、少なくとも家庭用レベルでは、既にその技術力はあるのだ!   (チョット待って..)  ここまで書いてフトある不安がよぎった。“なんでそんなに脱化石燃料・脱原子 力にこだわってんの?”と言う読者がいるかも?..。そんな“環境オンチ”の方は 失礼ながらここでサヨナラして下さい..。(^_^;/~   (失礼、では再開..) ---- * ---- * ---- * ----  自然環境をまもるための「小規模・分散型システム」を実現する上での問題は、 技術的な問題ではないことが分かった。では問題は何か?  まず“お金”はどうか。  最近の報道によると、政府は関東地方において、東京の水資源安定化等の目的で 50年も前のダム建設計画を実現化しようなどと本気で考えているらしい。どうも 景気回復のための経済効果を期待する公共投資だという考えもあるようだが、ダム 建設で大切な自然をこれ以上失うよりも、その建設費を、TVでも紹介された雨水 利用システムを各家庭に設置する補助金等にまわした方がよっぽど良いと、アナタ も思いませんか?(そろそろ土建屋国家は卒業してほしいものだ..)  ナンダお金はあるんだ。  どうもお金の問題ではないようですね..。では何が問題か?  東京に、なぜ新たにダム建設なのか?、を例に考えてみる:   ・役人の“前例主義”から従来のダム建設しか発想できない   ・前例のない方法を採用すれば、失敗した場合の責任が心配   ・“環境”について差し迫った危機感がない(世論にも責任)   ・従来のシステムには既得権者が必ずいて利益を求めてくる   ・まさか大型プロジェクトの方がカッコイイと思っている?  この例は公共事業だが、民間企業の場合には:   ・コストの問題 が何といっても大きい。当然ながら最初はお高い。だが例えばクルマでは、従来型 エンジン車には環境負荷税を新設する一方、その税収からクリーン車には補助金を 出す、といった工夫が求められる。 ---- * ---- * ---- * ----  その他いろいろ考えられるかもしれないけど、技術的にさえ可能であれば、要す るに、本気でヤル気があるかの問題、人間社会内の問題なのだ。お金も人間社会が 勝手に作ったものであるし、環境への負荷が大きい大規模・集中システムを今まで 採用してきたのも、つきつめて表現すれば、人間の“意識”の問題だ。  つまり人間の“意識”の質・レベル・価値基準を変革しなければならない。  これが「パラダイム大転換が必要」と言われる所以である。

-------------------------------------------------------------------------- 5.おわりに  最初にEMAモーター等のいわゆる“フリーエネルギー”について述べた。だが もし、もしもですよ、フリーエネルギーが“今の”意識レベルの人類に現実なもの となったら、どうなると思いますか?  確かに化石燃料のように直接的な自然破壊はなくなるかもしれないけど、人類は 調子にのってさらに“それ行けドンドン”の世界にハマっていくのではなかろうか、 と容易に危惧できる。  なにせエネルギーが無尽蔵に利用できるのだから無理はない。  まだ自然破壊にオノノキながら、石油を焚いている方がカワユイというものだ。  かって、南米アステカの人々(古代日本人の末裔の可能性がある)は、階段ピラ ミッドなどを建造して、高度な数学や天文学の知識があったにもかかわらず、文字 などが不似合いにも未発達であったことが知られている。  これなどもヒョットかして、謎の超古代文明(最近TV報道された沖縄海底など に多くの痕跡がありその存在は明らか)により滅び去った人類の生き残りが、文明 が本質的に有する恐ろしさ・危険性を悟った結果、あるレベルの意識に達した少数 の“賢人達”にのみ、例えばピラミッド建造などの“秘儀”が伝え継がれた、とは 考えられないだろうか。  とにかく人類の誇る現代科学技術も、仏法の逸話では有名な孫悟空のキントン雲 がそうであったように、お釈迦様(キリストや神道の神様でもよい)つまり大宇宙 の掌の内にしか存在できないのだ。仏の理法(キリスト教的に言えば神の御心に従 うこと)を逸脱すれば文明は存続不可能であるという、考えてみると正常な日本人 には至極当り前な真実を悟るべきではなかろうか。  神をも恐れぬ“バベルの塔”は存続不可能なのである。  フリーエネルギーも直接的には環境にやさしい側面があるにせよ、今の意識段階 にある人類には、“もてあます技術”なのだ。  一方、「小規模・分散型システム」こそが、とりあえず今の意識段階の人類には 許容された、唯一の“文明の在り方”ではなかろうか。やがて人間の意識がそれに 相応しい質的変化を遂げたとき、フリーエネルギーは登場することになるだろう。 それまでは神秘のベールに包まれているのだ。 ---- * ---- * ---- * ----  西洋文明がほぼ全世界を支配した近代では、「自然を征服する」との考えが意識 の根底にあって、科学技術も存在してきた。田畑には農薬をブチ込み、遺伝子まで 操作して力ずくで自然をこねくり廻してきたのだ。我々日本人も先の孫悟空の例を 忘れて遜大になりすぎ、自然の中で生きるとは何かを忘却してきた。  そしてついに、自然に離反して生きてきた奢れる人間たちに、かってないほどの パラダイム大転換を迫られる時がきた。さもなければ人類存亡にかかわる結果を招 くところまできた。事態は相当に緊迫しているのだ。  新しいパラダイムからは、農業セクションで示した不耕起自然農法などのように、 自然とは対立しない。「自然への回帰」だ。かといって単純に原始生活に戻るわけ でもない。「小規模・分散・循環等をキーワードにした新しい文明による持続可能 なサステナブル社会の創造」である。 ---- * ---- * ---- * ----  日本人は、ひとたび全体の合意さえ取れれば、鎖国から海外への進出(侵略との 説もあるが少なくとも当時国民はそう思った)、鬼畜米英からイギリスは紳士の国 でアメリカは良き先輩、ストイックな倹約社会から拝金主義の大量消費社会、など のように大きくパラダイムを転換できる柔軟性をもった国民である。場合によって は節操がない側面もあるが、こんな特性の国民は他にまず無いのではないか。  つまり日本は、このパラダイム大転換の世界的リーダーになれる可能性があると 私は考えている。不耕起農法や現代医学セクションでも論じたように、反キリスト というか、反ガイア的なその思想によって、西洋文明はもはや行き詰まっている。 ところが一方、日本人の中から、不耕起農法に代表されるような、親ガイアの思想 が沸き上がってきているのだ。現在はまだ少数派だが、あとは全体の合意さえ取れ ればよい。今の日本人は、クロブネや敗戦のショックから、ただ“金縛り”にあっ ているだけなのだ。  もっとも過去の転換はすべて“外圧”によってもたらされたが、このたびの転換 はどうなるだろう。やはり直接的には外圧によって引き起こされる可能性が高い。 ただし、「外国からの外圧」ではなく、「地球環境破壊からくる外圧」だ。やはり ある程度、「行くところまで行かないと目が覚めない」というのが現実的なところ なのかもしれない..。  人間は大宇宙の理法に離反して、パンドラの箱を明けた。そこからあらゆる苦難 が世界中にまき散らされた。しかし箱の底には“希望”だけが残った。それは日本 なのかもしれない、というのが筆者の期待なのである。

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